わかるNPO法人会計基準の解説~注1活動計算書の表示方法7経常外収益

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、[注1]活動計算書の表示方法の7.経常外収益について見ていきます。

 

NPO法人の経常外収益は、NPO法人の通常の活動以外から生じる収益で、固定資産売却益等の臨時利益や過年度損益修正益などが含まれます。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

NPO法人会計基準注解[注1] 活動計算書の表示方法

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<経常外収益>
7.経常外収益は、NPO法人の通常の活動以外から生じる収益で、固定資産売却益等の臨時利益又は過年度損益修正益等が該当する。
ただし、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常収益の区分に記載することができる。
(六 特別損益)
特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。[注12]
本来の活動により発生したものの、予期しえなかった臨時の収益(たとえば高額の受取寄付金など)は、原則、経常活動による収益として、経常収益に計上します。
これを判断するうえで重要なことは、寄付金を得るための活動を、NPO法人が継続して行っているか否か、ということです。
寄付金はその金額の多寡から偶然性を排除することはできませんので、寄付金募集活動を継続して行っている場合は、金額の多寡によらず受取寄付金を経常収益に計上するのが適当と言えます。

【財務諸表等の体系と構成】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<活動計算書>
9.活動計算書は、当該事業年度に発生した収益、費用及び損失を計上することにより、NPO法人のすべての正味財産の増減の状況を明瞭に表示し、NPO法人の活動の状況を表すものでなければならない。 [注1]
<損益計算書原則>
(一 損益計算書の本質)
損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。
活動計算書の本質は、以下の3つです。
一定期間の活動状況を明らかにすること。
②すべての収益と、すべての費用を記載して経常増減額を表すこと。
③経常増減額に経常外損益を加減算して、当期の正味財産の増減を表すこと。

「活動計算書」は、NPO法人の財務的生存力を把握しやすくするために、資金収支ベースの「収支計算書」から改めることになったものです。

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