テーマ:NPO法(NPO法人の義務と責任)
こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。
特定非営利活動促進法(NPO法)について、NPO法人の義務とそれに違反したときに負うことになる責任を、一般のNPO法人と認定(仮認定)NPO法人とを比較し、NPO法の条文も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。
今日は、NPO法人の義務「情報公開」①事業報告書等の備置きについて見ていきます。
すべてのNPO法人は、事業報告書等を作成し、そのすべての事務所に備え置かなければなりません。
【NPO法人の義務】
NPO法人は、公開された情報に基づき市民が監視するというNPO法の趣旨にかんがみ、寄付などの資金の使い道を情報公開していくことにより、支援者などへの説明責任を果たすことが求められます。
また、NPO法人は、国税である法人税、地方税である法人住民税及び事業税など様々な税金が課されます。
しかしながら、会計知識に乏しく、法令で規定された事業報告書や計算書類等の書類を所轄庁に提出していない、国税当局から源泉所得税の納付漏れや消費税の未納付について指摘されたり、法人税について収益事業の認定を受けて困惑するなどの事例もあり、それがNPO法人の現状のようです。
【NPO法人の義務~情報公開】
一般のNPO法人 |
認定(仮認定)NPO法人 |
第二十八条(事業報告書等の備置き等及び閲覧)
1 特定非営利活動法人は、毎事業年度初めの三月以内に、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、前事業年度の事業報告書、計算書類及び財産目録並びに年間役員名簿並びに前事業年度の末日における社員のうち十人以上の者の氏名及び住所又は居所を記載した書面(以下「事業報告書等」という。)を作成し、これらを、翌々事業年度の末日までの間、その事務所に備え置かなければならない。 |
同左 |
NPO法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等の書類を作成し、事務所に備え置き、閲覧の請求があった場合には、その事務所において閲覧させなければなりません。
備置きが必要となる書類は次のとおりです。
書類名 |
一般のNPO法人 |
認定(仮認定)NPO法人 |
閲覧期間 |
前事業年度の事業報告書等 ・事業報告書 ・計算書類 ・財産目録 ・年間役員名簿(前事業年度において役員であった者の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿) ・社員のうち10名以上の者の名簿 |
○ (事務所に備え置き、社員その他の利害関係人は閲覧することができる。) |
○ (事務所に備え置き、誰でも閲覧することができる。) |
翌々事業年度の末日まで |