テーマ:日曜ブログ
こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」 代表の六浦雅夫です。
今日は、ブラック企業について考えてみたいと思います。
たくさん従業員を採用して、使えるだけ使って、心や体が弱った従業員は使い捨てにする。従業員の個人的な事情は無視し、従業員を単なる労働力としか見ていない、それがブラック企業と言われる組織の特徴だと思います。
利益至上主義という「とらわれ」
ブラック企業が幅を利かせている理由のひとつとして、業績(=売上や利益)という単一の尺度で組織の価値を測る、いまの「情報開示」の在り方が考えられます。
組織が利益の最大化のみを目指した場合、従業員は単なるコストとみなされ、少ないコスト(給与)で最大の生産(労働)を強いられるのです。
これに対する答えとなり得るのが、「統合報告」です。
組織の価値創造能力を多面的に評価する「統合報告」というコミュニケーションと、そのための世界共通のフレームワークが、現在、国際的に検討されています。
統合報告では、従業員のモラルや意欲、多様性をも組織の「価値」として評価することになるので、どれだけ効率的に利益を生み出している組織でも、従業員を大事にしない組織が高く評価されることはありません。
情報開示が大きく変わって、ブラック企業が低く評価され、淘汰される日もそう遠くないかもしれません。
愛がない組織はいらない
「代わりならいくらでもいるので、搾取して、使えなくなったら捨てればいい。」というブラック企業の経営者の考え方は、感情的にも受け入れ難いです。
私にも、厳しい労働環境で働く知人がいます。
環境は簡単に変えることはできないでしょうが、どうか自分を責めないで、感情を失ったり、健康を損なうことがないようにしてもらいたいものです。
ブラック企業の経営者に、従業員に対する「愛」はありません。
そのような「愛」のない組織が社会から受け入れられるはずはなく、すぐに変化は起こらなくても、いずれ社会からなくなることでしょう。
「愛」なんてメルヘンかもしれないけど、そうじゃなきゃ、未来に希望が持てないじゃないですか。