【日曜ブログ】自然への畏敬

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こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」 代表の六浦雅夫です。

 

先日、東京国際フォーラムで開催された「公認会計士の日」記念特別講演会《バカの壁~経済編 アベノミクスに湧く日本経済》に参加して、東京大学名誉教授の養老孟司さんの講演を伺いました。

解剖学がご専門の養老さんが語る「経済」は、とても興味深く、今日は、その一部を紹介したいと思います。

 

人間は「意識」、動物は「感覚」

動物は、「言葉」をしゃべることも、「数」を数えることもできない。

人間は、ものごとをひとまとめ(「同じ」)にすることができるので、「言葉」にできる。

例えば、100個のりんご。「感覚」で生きている動物にとっては、一つ一つが違う「もの」だが、「意識」で生きている人間は、それらをひとまとめに「りんご」として認識できる。

 

「都会」と「自然」

「都会」は、人間の「意識」が作り出したもので、そこには「意識」がコントロールできない「自然」は存在しえない。

例えば、都会のホールにゴキブリが出たら、「自然」のものは想定外なので、大の大人が血相を変えて殺そうとするでしょう。でも、「自然」の何がいけないんでしょう?

 

「意識」と「メタメッセージ」

養老さんが生まれた日(昭和12年)の新聞は、一面すべてが戦争に関する記事だったそうです。

そのメタメッセージ(背後にある本当に伝えたいメッセージ)は、「戦争以外に大事なものはない。」というものだ。

情報統制による「意識」のコントロール。人間が「意識」だけに頼ることの危うさ。

「アベノミクス」に隠されたメタメッセージは、「景気を良くしないとダメだ。」というもの。

 

人間の力で「自然」をコントロールできるとでも?

私は、安倍政権にとても危ういものを感じています。それは、

・右肩上がりの経済成長を前提にし、金融主導で行っていること

・そのために大量の電力を安く供給しなければならないとして、原子力発電に依存しようとしていること

・原子力規制委員会の安全基準を満たせば原子力発電所の再稼働も認めるとしていること

「金融経済」も「原子力発電」も「安全基準」すべて「人工」のものです。「人工」にばかり頼らないで、今こそ、私たち人間の知恵を結集して、「自然」と共生できる社会をつくるべきです。

 

私たちは先の大震災から、「自然」の脅威を学んだはずです。想定外のことが起こり得ると。

 

多くの日本人が、人間の力で「自然」をコントロールできるというおごった考えを再び持ち始めているように感じ、この国の将来に不安を感じます。

原発事故により多くの人が今なお苦しんでいます。

同じ過ちを繰り返さないためにも、自然への畏敬を忘れてはいけません。

 

【過去のブログ】

日曜ブログ 「すべての生命の誕生、それが社会の望み

日曜ブログ 「野心は何だ

日曜ブログ 「わかってくれないをなげかない

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