【わかるNPOの法人税】《収益事業》「継続して」と「事業場を設けて」

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》「継続して」と「事業場を設けて」について見ていきます。

NPO法人が「継続して」「事業場を設けて」事業を行うときは、その収益事業から生じた所得について法人税が課税されることになります。

「継続して」と「事業場を設けて」

収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいます。

ここで、「継続して」とは、基本的には各事業年度の全期間を通じて継続的に事業活動を行うことを言いますが、そのほかに、通常一つの事業計画に基づく事業の遂行に相当期間必要なもの(例えば、土地の造成、全集・事典の出版など)や、通常相当期間にわたって継続して行われるもの、定期的又は不定期に反復して行われるもの(例えば、海水浴場における席貸し、縁日における物品販売など)も含まれます。

また、「事業場を設けて」とは、基本的には常時店舗、事務所等を設ける場合を指しますが、そのほかに、必要に応じて随時その事業活動のための場所を設ける場合等も含まれます。そのため、移動販売、移動演劇興行等のように事業活動を行う場所が転々と移動するものも該当します。

 

(法人税法)

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一~十二 省略

十三 収益事業
販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。

 

(法人税基本通達)

(事業場を設けて行われるもの)

15-1-4 法第2条第13号《収益事業の意義》の「事業場を設けて行われるもの」には、常時店舗、事務所等事業活動の拠点となる一定の場所を設けてその事業を行うもののほか、必要に応じて随時その事業活動のための場所を設け、又は既存の施設を利用してその事業活動を行うものが含まれる。したがって、移動販売、移動演劇興行等のようにその事業活動を行う場所が転々と移動するものであっても、「事業場を設けて行われるもの」に該当する。(昭56年直法2-16「七」、平20年課法2-5「二十九」により改正)

(継続して行われるもの)

15-1-5 法第2条第13号《収益事業の意義》の「継続して……行われるもの」には、各事業年度の全期間を通じて継続して事業活動を行うもののほか、次のようなものが含まれることに留意する。(昭56年直法2-16「七」、平20年課法2-5「二十九」により改正)

(1) 例えば土地の造成及び分譲、全集又は事典の出版等のように、通常一の事業計画に基づく事業の遂行に相当期間を要するもの

(2) 例えば海水浴場における席貸し等又は縁日における物品販売のように、通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるもの

(注) 公益法人等が令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のいずれかに該当する事業(以下「特掲事業」という。)とこれに類似する事業で特掲事業に該当しないものとを行っている場合には、その行う特掲事業が継続して行われているかどうかは、これらの事業が全体として継続して行われているかどうかを勘案して判定する。

国税庁ホームページ 共通事項「事業場を設けて」「継続して」