【日曜ブログ】(第33回)日本を取り戻す

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こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」 代表の六浦雅夫です。

 

現実から目をそらして、耳をふさぐことは、幸せなことかもしれません。

でも、現実を変えるには、目を凝らして、耳を澄ませて、真実を知り、心を動かされ、行動を起こすしかないと私は思っています。

 

アフリカのいま~日本のエネルギー

先日、アフリカ(モザンビーク)研究者の方のお話を聞く機会がありました。

南部アフリカのモザンビークは、天然ガス資源が豊富で、GDP成長率はアフリカのなかでも突出した8.4%(2013年予想)となっていて、日本のエネルギーの供給地(輸入先)として注目されているそうです。

また、今後も人口増加が見込まれ、日本製品の消費地(輸出先)としても有望な市場だそうです。

 

アフリカのいま~日本の食料

さらに、モザンビークは、日本の食料の供給地(輸入先)としても注目されていて、現在、日本・ブラジル・モザンビークの三国による大規模農業開発事業(プロサバンナ事業)が進められているそうです。

そのブラジルで、日本は1980年代に同様の開発を行っていて、日本政府(JICA)はそれを成功事例として、プロサバンナ事業の参考としているそうです。

 

援助という名の破壊

JICAによれば、広大な未利用農地を有効活用し、農業の機械化により生産効率を上げた「援助」は成功だったとなるブラジルでの事業も、現地では、失敗事例として理解されているそうです。

この開発がもたらしたのは、大規模な森林伐採による生物多様性の破壊です。

また、農業の機械化は現地に「職」を生み出さず、「農民なき農業」の進行で、潤ったのは機械メーカーや一部の農民など、“強き者”だけだったそうです。

 

日本を取り戻す

現在、モザンビークでは、多数の農民や市民社会組織によって、プロサバンナ事業の中断を求める運動が起こっているそうです。

この事実が日本国内で報道されることはほとんどなく、私たちが知らないところで、地元住民の生活が脅かされています。

そこにあるのは、「強い日本を取り戻す」と威勢のいいことを言って、浮かれている日本人の姿です。

“弱き者”を踏みつけて、笑っている日本人の姿です。

私は、弱者をいたわることができるのが日本人だと思っています。そんな日本を取り戻してほしいと願います。