【わかる簿記初級】決算整理⑥売上原価の算定

テーマ:簿記

 

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社会課題の解決に取り組む社会的企業(株式会社などの営利企業や、NPO法人や社団・財団法人などの非営利組織)のスタッフ、経理実務担当者が知っておきたい「簿記」の基礎を、日商簿記3級の試験問題を題材に分かりやすく解説します。

今日は、「決算整理」⑥売上原価の算定について見ていきます。

 

【問題】

次の[期末修正事項]にもとづいて、決算整理仕訳をしなさい。

[期末修正事項]
期末商品棚卸高は80,000である。決算時における繰越商品勘定と仕入勘定の残高はそれぞれ70,000と510,000である。なお、売上原価は「仕入」の行で計算すること。

 

【解説】

●問題文を次のように分解します。

期末商品棚卸高は80,000(決算時における繰越商品勘定は70,000)である。①決算時における仕入勘定の残高は510,000である

●順番に仕訳をします。

①決算時における仕入勘定の残高は510,000である ので、期中において、借方(左側)に仕入510,000、貸方(右側)に買掛金510,000を計上(掛け取引を仮定)していました。

借方科目
(かりかた)

金額

貸方科目
(かしかた)

金額

仕入

510,000

買掛金

510,000

②期末商品棚卸高は80,000(期首商品棚卸高は70,000)である ので、決算において、次のように処理します。
◇期首商品70,000:借方(左側) 仕入 / 貸方(右側) 繰越商品

借方科目

金額

貸方科目

金額

仕入

70,000

繰越商品

70,000

◇期末商品80,000:借方(左側) 繰越商品 / 貸方(右側) 仕入

借方科目

金額

貸方科目

金額

繰越商品

80,000

仕入

80,000

 

【解答】

借方科目

金額

貸方科目

金額

仕入

70,000

繰越商品

70,000

繰越商品

80,000

仕入

80,000

 

【ポイント】

決算において、売上原価を算定します。売上原価は、当期に販売した商品の仕入原価のことです。

売上原価を算定するための仕訳は、次のようになります。

(期首商品)期首商品棚卸高を「繰越商品」(資産)から「仕入」(費用)に振り替えます。

(借方)仕入

XXX

(貸方)繰越商品

XXX

(期末商品)期末商品棚卸高を「仕入」(費用)から「繰越商品」(資産)に振り替えます。

(借方)繰越商品

XXX

(貸方)仕入

XXX