テーマ:NPO法人会計基準
NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき「企業会計原則」と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。
今日は、財務諸表の注記(4)施設の提供等の物的サービスを受けたことを財務諸表に記載する場合について見ていきます。
施設の提供等の物的サービスを受けたことを計算書類に記載する場合は、情報の利用者の便宜性に配慮し、当該金額の算定根拠が明らかになるように、受入れたサービスの内容、金額、その算定方法を注記します。
【企業会計原則とは】
企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。企業会計原則は、1982年以来、修正が行われておらず、その後、時代に対応して会計基準が順次公表され、会計慣行を補強しています。
会計基準は、企業会計原則に優先して適用されるべき基準とされ、公正なる会計慣行に含まれると解釈されています。つまり、企業会計原則は会計全般の公正なる会計慣行をまとめたものであり、個々の論点に関する会計慣行は、各会計基準に委ねられているのです。
【財務諸表の注記】
NPO法人会計基準(同注解) |
企業会計原則(同注解) |
解説 |
<財務諸表の注記> 31.財務諸表には、次の事項を注記する。 |
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(4)施設の提供等の物的サービスを受けたことを財務諸表に記載する場合には、受入れたサービスの明細及び計算方法 | ー | 施設の提供等の物的サービスを受けたことを計算書類に記載する場合は、情報の利用者の便宜性に配慮し、当該金額の算定根拠が明らかになるように、受入れたサービスの内容、金額、その算定方法などの詳細な記載をします。 その際、物的サービスの受入れを注記する場合は合理的な算定方法を記載し、活動計算書に計上する場合は客観的な算定方法を記載します。 |
NPO会計基準は、ボランティアの受入れをした場合や無償又は著しく低い価格での施設の提供等の物的サービスを受けた場合において、従来どおり会計的に認識しない方法に加え、「合理的に算定できる場合」には注記でき、「客観的に把握できる場合」には注記に加えて活動計算書への計上も可能としています。
NPO法人は、支援者等の好意で、無償又は著しく低い価格で会議室を使用するなど「物的サービス」の提供を受けることがあります。 [1]無償又は著しく低い価格で提供された物的サービスについては、特に会計上の処理や財務諸表への表示は行わない。 [2]-1【ステップ1】:その物的サービスの金額を「合理的に算定できる場合」には、「財務諸表に注記」する。 [2]-2【ステップ2】:その物的サービスの金額を「客観的に把握できる場合」には、注記をした上で「活動計算書に計上」する。 なお、活動計算書に計上する際には、「施設等受入評価益」と「施設等評価費用」をそれぞれ同額で計上し、その金額換算の根拠についても注記において明確にします。 【合理的に算定できる場合とは】 合理的に算定できる場合の具体的な事例としては、次のようなものが考えられます。 【客観的に把握できる場合とは】 客観的に算定できる場合の具体的な事例としては、次のようなものが考えられます。 |
参考URL
「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」(内閣府・NPOホームページ)
「実務担当者のためのガイドライン」(NPO法人会計基準協議会ホームページ)