NPO法人の消費税~特定収入に係る仕入税額控除の特例(簡易課税制度)

テーマ:NPO法人の消費税

 

NPO法人は、通常、補助金、会費、寄付金等の特定収入不課税収入)を財源として、課税仕入れの一部を賄っています。

ここで、特定収入で課税仕入れを行った場合、その課税仕入れに対価性(売上のためのコストとしての性格)はありませんので、特定収入によって賄われた課税仕入れ税額は、通常の課税仕入れ税額のように課税売上に含まれる消費税額から控除することはできません。

このように、NPO法人は、「特定収入に係る仕入税額控除の特例」が適用され、一部、最終消費者の立場に立つことになります。

特定収入に係る仕入税額控除の特例」を理解する前に、通常の消費税の計算について見ていきたいと思います。

まず、基準期間の課税売上高と選択可能な課税方式は次のとおりです。

基準期間の課税売上高

課税方式

1,000万円以下 免税
1,000万円超5,000万円以下 簡易課税方式本則課税方式
5,000万円超 本則課税方式

注)

・基準期間は、法人の場合は、その事業年度の前々事業年度をいいます。

・本則課税方式では、消費税の計算は以下のように行われます。

消費税額=課税標準額に対する税額-仕入控除税額

 

・簡易課税方式では、仕入控除税額は以下のように計算されます。

仕入控除税額=課税標準額に対する税額×みなし仕入率
例)サービス業のみなし仕入率は50%

ただし、特定期間における課税売上高が1,000万円超の場合は免税になりません。

ここで、特定期間とは、基本的には事業年度開始の日以後6ヶ月間をいいます。

 

【簡易課税方式】

簡易課税制度の適用にあたっては、適用したい課税期間の初日の前日までに「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。1度適用すると2年間は継続適用が求められます。

適用をやめたい場合は、「簡易課税制度選択不適用届出書」の提出が必要です。提出期限は、適用をやめたい課税期間の初日の前日までとなります。

 

【本則課税方式】

次に、本則課税方式の仕入控除税額の計算は次のとおりとなります。

課税方式

課税売上割合

計算方式

本則課税方式 課税売上割合95%以上

全額控除

本則課税方式 課税売上割合95%未満

個別対応方式

本則課税方式 課税売上割合95%未満

一括比例配分方式

ここで、課税売上割合は以下の計算式で算定されます。

課税売上割合=(課税売上(税抜)+免税売上)÷(課税売上(税抜)+非課税売上+免税売上)

なお、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から、課税売上高が5億円の事業者については、課税売上割合が95%以上の場合であっても全額控除できず、個別対応方式または一括比例配分方式の選択となっています。

本則課税方式の仕入控除税額の計算方式(全額控除個別対応方式一括比例配分方式)、および、特定収入に係る仕入税額控除の特例については、次回以降、詳しく説明します。