テーマ:認定NPO法人の税制優遇
今回は、相続人が認定NPO法人に寄付をした場合の税制優遇について解説します。
【寄付財産の非課税】
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その取得した財産を相続税申告書の提出期限までに認定NPO法人に対し、特定非営利活動に関する寄付をした場合は、その寄付財産の価額は相続税の課税価格の計算の基礎に算入されず、相続税が非課税となります。
【適用要件】
この特例措置の適用のためには、
・寄付を受けた認定NPO法人がその財産を2年以内に特定非営利活動に係る事業の用に供していること
・寄付を受けた認定NPO法人が次の事項について証した書類を相続税申告書に添付すること ①寄付を受けた旨、②受領年月日及び財産の明細、③財産の使用目的 |
が必要となります。
また、寄付を受けた認定NPO法人が、寄付のあった日から2年以内に認定法人に該当しないこととなった場合は、この特例措置は取り消され、相続税が課税されます。
なお、この特例措置は、現預金等を寄付した場合であり、土地・建物等の不動産や株式等の有価証券を寄付した場合は、「みなし譲渡所得課税」の適用の可能性があります。
【相続税の計算】
相続税の計算は各法定相続人の取得金額に税率を乗じて行われますが、課税される遺産の総額の計算に際しては、上述の非課税財産や基礎控除額(下記算式)を差し引くことができますので、課税遺産総額がマイナスとなる場合は相続税はかかりません。この場合、相続税の申告・納税は不要です。
課税遺産総額=課税価格※の合計額-基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数) |
※課税価格=相続財産-(非課税財産+葬式費用+債務)