わかるNPO法人会計基準の解説~一般原則7重要性

テーマ:NPO法人会計基準

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、一般原則の7.重要性の原則について見ていきます。

 

情報公開の目的はあくまで利用者にとって分かりやすい情報を提供することです。したがって、その利用者にとって重要性の乏しいものについては、利用者の判断を誤らせない範囲で、簡便に会計処理・表示することができます。

これを重要性の原則といいます

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

 

【一般原則】

NPO法人会計基準

企業会計原則(同注解)

解説

<重要性>
7.重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに財務諸表等の表示について簡便な方法を用いることができる。
重要性の高いものはより厳密な方法を用いて処理しなければならない。
[注1] 重要性の原則の適用について
企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。
会計は、その経済的事実に基づいて、正確に忠実に会計処理を行うことを要請しているため、原則的には1円たりとも軽視することはできません。
しかし、たとえば非常に少額の消耗品について、その受払いに基づいて貸借対照表に計上したとしても、利害関係者にとっても、また、その法人にとっても、手間ヒマのわりに、あまり意味のあることではありません。
そこで、実践的な考え方から、一部簡便な会計処理も認められています。

また、重要性の原則には、このように重要性の乏しいものについての簡便な処理・表示を認めるという側面と、逆に重要性の高いものについては詳細な処理・表示を求めるという側面もあります。

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