テーマ:NPO法人会計基準
NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき「企業会計原則」と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。
今日は、[注1]活動計算書の表示方法の1.活動計算書の区分表示について見ていきます。
活動計算書は、一定期間の活動状況を明らかにするため、すべての収益から、すべての費用を差し引いて、経常増減額を計算し、さらに経常外損益を加減算して、当期の正味財産の増減を計算します。
【企業会計原則とは】
企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。
NPO法人会計基準注解[注1] 活動計算書の表示方法
NPO法人会計基準(同注解) |
企業会計原則(同注解) |
解説 |
<活動計算書の区分表示> 1.活動計算書は経常収益、経常費用、経常外収益及び経常外費用に区分する。 |
<損益計算書原則> (二 損益計算書の区分) 損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。 |
活動計算書では、 ■すべての経常収益と、すべての経常費用を記載して、当期の経常増減額を計算し、 ■経常増減額計算の結果を受けて、過年度損益修正損益、固定資産売却損益等の経常外損益を記載して、当期の正味財産増減額を計算します。 |
【財務諸表等の体系と構成】
NPO法人会計基準(同注解) |
企業会計原則(同注解) |
解説 |
<活動計算書> 9.活動計算書は、当該事業年度に発生した収益、費用及び損失を計上することにより、NPO法人のすべての正味財産の増減の状況を明瞭に表示し、NPO法人の活動の状況を表すものでなければならない。 [注1] |
<損益計算書原則> (一 損益計算書の本質) 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。 |
活動計算書の本質は、以下の3つです。 ①一定期間の活動状況を明らかにすること。 ②すべての収益と、すべての費用を記載して経常増減額を表すこと。 ③経常増減額に経常外損益を加減算して、当期の正味財産の増減を表すこと。 「活動計算書」は、NPO法人の財務的生存力を把握しやすくするために、資金収支ベースの「収支計算書」から改めることになったものです。 |