わかるNPO法人会計基準の解説~注1活動計算書の表示方法2経常収益

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、[注1]活動計算書の表示方法の2.経常収益について見ていきます。

 

NPO法人の経常収益には、受取会費、受取寄付金、受取補助金・助成金、事業収益、その他収益、などが含まれます。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

 

NPO法人会計基準注解[注1] 活動計算書の表示方法

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<経常収益>
2.経常収益は、NPO法人の通常の活動から生じる収益で、受取会費、受取寄付金、受取助成金等、事業収益及びその他収益等に区分して表示する。
活動計算書では、経常収益を
1.受取会費
2.受取寄付金
3.受取助成金等
4.事業収益
5.その他収益
に区分して表示します。

なお、会費として扱われる次の①~③については、それぞれ①及び②は「受取会費」の区分に、は「事業収益」の区分に計上します。
社員(正会員)たる地位にある者が会を成り立たせるために負担すべきもの(「正会員受取会費」等)
支出する側に任意性があり、直接の反対給付がない経済的利益の供与としての寄付金の性格を持つもの(「賛助会員受取会費」等)
サービス利用の対価としての性格を持つもの(「○○利用会員受取会費」等)

【財務諸表等の体系と構成】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<活動計算書>
9.活動計算書は、当該事業年度に発生した収益、費用及び損失を計上することにより、NPO法人のすべての正味財産の増減の状況を明瞭に表示し、NPO法人の活動の状況を表すものでなければならない。 [注1]
<損益計算書原則>
(一 損益計算書の本質)
損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。
活動計算書の本質は、以下の3つです。
一定期間の活動状況を明らかにすること。
②すべての収益と、すべての費用を記載して経常増減額を表すこと。
③経常増減額に経常外損益を加減算して、当期の正味財産の増減を表すこと。

「活動計算書」は、NPO法人の財務的生存力を把握しやすくするために、資金収支ベースの「収支計算書」から改めることになったものです。