わかるNPO法人会計基準の解説~注1活動計算書の表示方法4経常費用

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、[注1]活動計算書の表示方法の4.経常費用について見ていきます。

 

NPO法人の経常費用は、NPO法人が通常の活動に要する費用で、「事業費」と「管理費」からなり、それぞれを「人件費と「その他経費に分類したうえで、さらに費用の性質を表す形態別に分類して表示します。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

 

NPO法人会計基準注解[注1] 活動計算書の表示方法

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<経常費用>
4.経常費用は、NPO法人の通常の活動に要する費用で、費用の性質を表す形態別に把握し、人件費とその他経費に区分して表示しなければならない。
(三 営業利益)
F 販売費及び一般管理費は、適当な科目に分類して営業損益計算の区分に記載しなければならない。
NPO法人の経常費用は、
■「事業費」と「管理費」からなり、
■それぞれを人件費その他経費に分類したうえで、さらに形態別に分類して表示します。
この内訳表示は、NPO法人間の比較可能性やNPO法人のマネジメント等の観点から求められています。

「事業費」は、NPO法人が目的とする事業を行うために直接要する人件費及びその他経費をいいます。

「管理費」は、NPO法人の各種の事業を管理するための費用で、
総会及び理事会の開催運営費
管理部門に係る役職員の人件費
管理部門に係る事務所の賃借料及び光熱費等のその他経費
をいいます。

【財務諸表等の体系と構成】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<活動計算書>
9.活動計算書は、当該事業年度に発生した収益、費用及び損失を計上することにより、NPO法人のすべての正味財産の増減の状況を明瞭に表示し、NPO法人の活動の状況を表すものでなければならない。 [注1]
<損益計算書原則>
(一 損益計算書の本質)
損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。
活動計算書の本質は、以下の3つです。
一定期間の活動状況を明らかにすること。
②すべての収益と、すべての費用を記載して経常増減額を表すこと。
③経常増減額に経常外損益を加減算して、当期の正味財産の増減を表すこと。

「活動計算書」は、NPO法人の財務的生存力を把握しやすくするために、資金収支ベースの「収支計算書」から改めることになったものです。