わかるNPO法人会計基準の解説~収益及び費用の把握と計算(その1)13受取寄付金

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、収益及び費用の把握と計算(その1)13.受取寄付金について見ていきます。

 

寄付金については、受け取ったとき(入金時)に「受取寄付金」として収益計上します。このうち使途等が制約された寄付金については、原則、その内容、正味財産に含まれる期末残高(未使用分)等を注記します。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

【収益及び費用の把握と計算ーその1】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<受取寄付金>
13.受取寄付金は、実際に入金したときに収益として計上する。
受取寄付金は、実際に入金したときに収益として計上します。

【NPO法人に特有の取引等】

NPO法人会計基準(同注解)

解説

<使途等が制約された寄付金等の取扱い>
27.寄付等によって受入れた資産で、寄付者等の意思により当該受入資産の使途等について制約が課されている場合には、当該事業年度の収益として計上するとともに、その使途ごとに受入金額、減少額及び事業年度末の残高を注記する。[注5][注6]

寄付金については、受け取ったときに「受取寄付金」として収益計上します。(NPO法人会計基準第13項)

このうち使途等が制約された寄付金については、原則、その内容、正味財産に含まれる期首残高、当期増加額、当期減少額、正味財産に含まれる期末残高等を注記します。

なお、使途等が制約された寄付金で重要性が高い場合には、正味財産を一般正味財産と指定正味財産に区分し、当該寄付金を指定正味財産に計上することが望まれます。これは、当期に使途の制約が解除された収益とそうでない収益を分けて表示したほうが、当該法人の財務状況・活動状況をより的確に把握することができるためです。

「重要性が高い」と判断される寄付金には、例えば以下のようなものが考えられます。
・使途が震災復興に制約され、複数事業年度にまたがって使用することが予定されている寄付金
・奨学金給付事業のための資産として、元本を維持して、あるいは漸次取り崩して給付に充てることを指定された寄付金