わかるNPO法人会計基準の解説~収益及び費用の把握と計算(その2)19固定資産の計上

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、収益及び費用の把握と計算(その2)19.固定資産の計上について見ていきます。

 

固定資産は、棚卸資産と同様に取得時は取得原価で評価され、その後の減価償却によって、計画的・規則的に費用配分が行われます。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

【収益及び費用の把握と計算ーその2】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<固定資産の計上>
19.購入した固定資産は、原則として当該資産の取得価額を基礎として計上しなければならない。
(五 資産の貸借対照表価額)
貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。
【固定資産と消耗品費の相違について】
会計実務上は、法人税法施行令第133条を参考とし、1年を超える期間において使用する10万円以上の資産を固定資産とみなすのが、一般的な目安となっています。
多くの企業や団体では、これを一つの判断基準として、1個または1組の取得価額が10万円未満であれば消耗品費などの費用とし、10万円以上であれば備品などの固定資産として会計処理しており、NPO法人も同様に、1個または1組の取得価額が10万円未満か以上かで、費用として計上するか固定資産として計上するかを判断してよいと考えられます。
[注2]
<固定資産>
12.有形固定資産及び無形固定資産は、取得価額から減価償却累計額を差し引いた価額をもって貸借対照表価額とする。
固定資産の取得価額は、購入の代価に、運送、据え付け等のための付随費用を加えた価額をいう。
(五 資産の貸借対照表価額)
D 有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の引取費用等の付随費用を含める。

E 無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。

有形固定資産は、その資産を取得した後、事業活動に使用され、その経済的価値(経済的効用)が徐々に減少します。
無形固定資産も、通常、時の経過とともに収益力の効果が実現されていきます。
そのため、固定資産は時の経過に伴って減少した価値を費用化する必要があり、この価値の減少分減価償却費といいます。

固定資産は、棚卸資産と同様に取得時は取得原価で評価され、その後の減価償却によって、計画的・規則的に費用配分が行われます。

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