わかるNPO法人会計基準の解説~収益及び費用の把握と計算(その2)20減価償却費の計上

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、収益及び費用の把握と計算(その2)20.減価償却費の計上について見ていきます。

 

固定資産は、減価償却により費用化されます。

減価償却は、固定資産の取得原価をその使用可能な期間にわたって、一定の規則的な方法に従って配分する会計手続です。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。

【収益及び費用の把握と計算ーその2】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<減価償却費の計上>
20.貸借対照表に計上した固定資産のうち、時の経過等により価値が減少するものは、減価償却の方法に基づき取得価額を減価償却費として各事業年度に配分しなければならない。
<貸借対照表原則>
(五 資産の貸借対照表価額)
有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分し、
無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなければならない。
固定資産の価値(経済的効用)が減少していく理由には、物質的な要因と機能的な要因があります。
物質的な要因としては、時の経過による老朽化と、使用による自然的な減耗・損耗等があります。
機能的な要因としては、新開発・新発明によってすぐれた設備が登場したことによる価値の低下、いわゆる陳腐化が挙げられます。
減価償却は、このような減価要因を認識するために、固定資産の取得原価をその使用可能な期間(耐用年数)にわたって、一定の規則的な方法に従って配分する会計手続です。
この減価償却の方法には、主に「定率法」、「定額法」等があり、法人がその適用方法を選択します。
また、恣意的な耐用年数の決定を排除するという観点から、法人税法における耐用年数を使用するのが一般的です。

他の人から寄付でもらった固定資産についても、時の経過により価値が減少するものであれば、減価償却をする必要があります。
なお、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却の対象とはなりません。