わかるNPO法人会計基準の解説~注2貸借対照表の表示方法及び計上額15リース取引

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、[注2]貸借対照表の表示方法及び計上額の15.リース取引について見ていきます。

 

リース取引は、事実上売買と同様の状態にあると認められる場合、重要性が乏しい場合を除いて、売買取引準じて処理し、その資産をリース資産として、リース会社に対する債務をリース債務として貸借対照表に計上ます。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。企業会計原則は、1982年以来、修正が行われておらず、その後、時代に対応して会計基準が順次公表され、会計慣行を補強しています。

会計基準は、企業会計原則に優先して適用されるべき基準とされ、公正なる会計慣行に含まれると解釈されています。つまり、企業会計原則会計全般の公正なる会計慣行をまとめたものであり、個々の論点に関する会計慣行は、各会計基準に委ねられているのです。

【収益及び費用の把握と計算ーその2】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

[注2]
<リース取引>
15.リース取引については、事実上物件の売買と同様の状態にあると認められる場合には、売買取引に準じて処理する。ただし、重要性が乏しい場合には、賃貸借に準じて処理することができる。
【リース取引に関する会計基準】

(ファイナンス・リース取引の会計処理)
9. ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。

【リース取引に関する会計基準の適用指針】

(少額リース資産及び短期のリース取引に関する簡便的な取扱い)
34. 個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合は、オペレーティング・リース取引の会計処理に準じて、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。

リース取引については、事実上売買と同様の状態にあると認められる場合には、売買取引に準じて処理します。ただし、重要性が乏しい場合には、賃貸借取引に準じて処理することができます。

売買取引に準じて処理」するリース取引は、リース取引が事実上物件の売買と同様の状態にあると認められる場合です。リース取引が事実上物件の売買と同様の状態にあると認められる場合とは、
①(解約不能)リース契約に基づくリース期間の途中で、契約を解除することができないリース取引で、
②(フルペイアウト)リース料総額がそのリース資産を実際に購入した場合とほとんど変わらない、または、リース期間がそのリース資産の経済的耐用年数とほとんど変わらない
場合をいい、このようなリース取引を「ファイナンス・リース取引」と呼びます。

売買取引に準ずる処理」では、固定資産を新規に購入した場合と同様に、その固定資産をリース資産として貸借対照表に計上し、その資産に対して毎期減価償却を行ないます。また、リース会社に対する債務をリース債務として負債の部に計上し、毎月一定額の支払の都度、その負債の残高を減らしていくという会計処理をします。

賃貸借取引に準ずる処理」では、リース会社にリース料を支払ったときにその金額を費用として計上します。

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