わかるNPO法人会計基準の解説~収益及び費用の把握と計算(その2)22複数事業の事業別開示

テーマ:NPO法人会計基準

 

NPO法人会計基準について、制度会計(会社法、金融商品取引法、税法)が尊重すべき企業会計原則と比較しながら、その特徴を、誰もが理解できるやさしい言葉で、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、収益及び費用の把握と計算(その2)22.複数事業の事業別開示について見ていきます。

 

複数の事業を行うNPO法人は、計算書類の注記において、事業の種類ごとに事業費の内訳を開示するか、収益も含めて事業別及び管理部門別に損益の状況を開示するか、いずれかの方法が求められます。

 

【企業会計原則とは】

企業会計の実務のなかに慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものです。企業会計原則は、1982年以来、修正が行われておらず、その後、時代に対応して会計基準が順次公表され、会計慣行を補強しています。

会計基準は、企業会計原則に優先して適用されるべき基準とされ、公正なる会計慣行に含まれると解釈されています。つまり、企業会計原則会計全般の公正なる会計慣行をまとめたものであり、個々の論点に関する会計慣行は、各会計基準に委ねられているのです。

【収益及び費用の把握と計算ーその2】

NPO法人会計基準(同注解)

企業会計原則(同注解)

解説

<複数事業の事業別開示>
22.事業費は、事業別に区分して注記することができる。その場合収益も事業別に区分して表示することを妨げない。

【セグメント情報等の開示に関する会計基準】

(セグメント情報の開示項目)
17. 企業は、セグメント情報として、次の事項を開示しなければならない。
(1) 報告セグメントの概要
(2) 報告セグメントの利益(又は損失)、資産、負債及びその他の重要な項目の額並びにその測定方法に関する事項
(3) 省略

複数の事業を行う場合は、計算書類の注記において、事業の種類ごとに事業費の内訳を表示するか、あるいは、収益も含めて事業別及び管理部門別に損益の状況を表示するか、いずれかの方法が推奨されます。

その際、一番上にその事業年度に行った事業の名称と管理部門を並べて表示し、その区分ごとに
収益は「受取会費」「受取寄付金」「事業収益」、
費用は「給与手当」「地代家賃」「旅費交通費」
といった勘定科目ごとの金額を記載するようにします。

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