テーマ:脱税、節税
先日、税理士研修に参加し、国士舘大学法学部教授の酒井克彦先生の「私法」の講義を受講しました。
先生のお話になった、本屋に例えた「脱税」と「節税」の違いは、分かりやすく、そして、とても面白かったので、紹介したいと思います。
ある本屋で。
学生の「立ち読み」に困った店主は、店の至る所に「立読禁止」の貼り紙をしました。
学生Aくんは、店主から見えないように棚に隠れて、立ち読みしています。⇒これが「脱税」(ルール違反)です。
さて、ここである問題が生じました。
これでは、本を買うためレジに並んでいる客も本を読むことができません。
そこで、店主は、レジ周りにテープを貼って、そのなかでの「立ち読み」を認めました。
学生Bくんは、テープのなかで立ち読みしています。⇒これが「節税」です。
どこにでもずる賢い人はいるもので、さらに、こんな学生もいました。
学生Cくんは、レジの近くで堂々と本を「座って」「読んで」います。⇒これが、「租税回避」と言われる行為です。
一休さんのとんちの世界ですね。「この橋(端)渡るべからず」
なお、この租税回避については、租税訴訟で争われることになりますが、裁判所は、あくまでも中立的な立場をとっており、「租税回避けしからん罪」なる罰則はなく、実際の事件では事実認定と法解釈により解決が図られているということです。
おしまい