【わかるNPO法】NPO法人の義務「情報公開」⑨事業報告書等の提出

テーマ:NPO法(NPO法人の義務と責任)

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

特定非営利活動促進法(NPO法)について、NPO法人の義務とそれに違反したときに負うことになる責任を、一般のNPO法人認定(仮認定)NPO法とを比較し、NPO法の条文も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、NPO法人の義務「情報公開」⑨事業報告書等の提出について見ていきます。

 

すべてのNPO法人は、毎事業年度1回、前事業年度の事業報告書等を所轄庁に提出しなければなりません。

 

【NPO法人の義務】

NPO法人は、公開された情報に基づき市民が監視するというNPO法の趣旨にかんがみ、寄付などの資金の使い道を情報公開していくことにより、支援者などへの説明責任を果たすことが求められます。

また、NPO法人は、国税である法人税、地方税である法人住民税及び事業税など様々な税金が課されます。

しかしながら、会計知識に乏しく、法令で規定された事業報告書や計算書類等の書類を所轄庁に提出していない、国税当局から源泉所得税の納付漏れ消費税の未納付について指摘されたり、法人税について収益事業の認定を受けて困惑するなどの事例もあり、それがNPO法人の現状のようです。

 

【NPO法人の義務~情報公開】

一般のNPO法人

認定(仮認定)NPO法人

第二十九条(事業報告書等の提出)

特定非営利活動法人は、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、毎事業年度一回、事業報告書等を所轄庁に提出しなければならない。

同左

第五十二条(事業報告書等の提出に係る特例)

1 認定特定非営利活動法人についての第二十三条、第二十五条第六項及び七項並びに第二十九条の規定の適用については、これらの規定中「所轄庁に」とあるのは、「所轄庁(二以上の都道府県の区域内に事務所を設置する認定特定非営利活動法人にあっては、所轄庁及び所轄庁以外の関係知事)に」とする。

NPO法人は、毎事業年度初めの3か月以内に、前事業年度の事業報告書等の書類を作成し、事務所に備え置き、閲覧の請求があった場合には、その事務所において閲覧させなければなりません。

また、NPO法人は、事業報告書等を所轄庁に提出しなければならず、所轄庁は、閲覧又は謄写の請求があったときは、これを閲覧させ、又は謄写させなければなりません。

備置きと提出が必要となる書類は次のとおりです。

書類名

一般のNPO法人

認定(仮認定)NPO法人

所轄庁※3

閲覧期間

前事業年度の事業報告書等
・事業報告書
・計算書類
・財産目録
・年間役員名簿
・社員のうち10名以上の者の名簿

(事務所に備え置き社員その他の利害関係人閲覧することができる。)

(事務所に備え置き誰でも閲覧することができる。)

誰でも閲覧又は謄写の請求ができる。)
翌々事業年度の末日まで

(脚注)

※3 2以上の都道府県の区域内に事務所を設置する認定(仮認定)NPO法人にあっては、「所轄庁」及び「所轄庁以外の関係知事」