テーマ:日曜ブログ
こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」 代表の六浦雅夫です。
社会に影響力をもちたい。いい影響を与えたい。これが私の野心です。
“生”を感じたゴッホの絵画
いまから3年前のことですが、国立新美術館(東京・六本木)で開かれたオルセー美術館展2010で私が最も心を打たれたのは、ゴーギャンでもモネでもルソーでもなく、ゴッホの「星降る夜」(Starry Night 1889年6月)でした。
生き生きとした筆使いに、100年以上前に描かれたと思えないみずみずしさに、あたたかい色彩に、感動したその衝撃をいまでも鮮明に覚えています。
ゴッホの野心
「そう、本当のところ、我々にできるのは絵に語らせることだけだ。」
この言葉は、1890年7月29日、37歳のフィンセント・ファン・ゴッホが自らを撃ったそのとき、ポケットの中にあった紙切れに走り書きされていたもので、これが17年間、ほとんど毎日のように続いた弟テオへの手紙の最後の一通になったそうです。
ゴッホの生前、テオは、あらゆる努力の甲斐もなく、兄の作品を1点しか売ることができなかったと言います。
ゴッホはテオに宛てた手紙でこんな言葉を残しています。
「僕の芸術についての考えを明確に理解してほしい。……僕が望み、ねらっているものは途方もなく難しいんだ。
でも高望みをしているとは思わない。……僕のいわゆる粗さにもかかわらず、いや多分むしろそれ故に、人々が僕の作品について語り、深く、鋭敏に感じ取るくらい、僕は上達したい。……大多数の人の目に僕は何者なんだろう。取るに足りない男、変人、つきあいにくい奴ーー社会の中でいかなる地位もない者、将来においても。
要するに最下層だ。良かろう。……それでは僕の作品で、そうした変人、無価値な者の心の内に何があるのか見せてやろう。これが僕の野心だ。そしてこの全てにもかかわらず、この野心の底にあるのは怒りではなく、愛なんだ。」
怒りではなく、愛なんだ
たまたま手にした本で、この手紙を知りました。心の内側から出された一つ一つ言葉に重みがあり、ずしんと私の胸に響きました。
私の心の内側にも同じような思いがあります。
「僕は成長したい。社会の中で取るに足りない男が、何ができるか追求したい。愛をもってこの社会を生きたい。」
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