【わかるNPOの法人税】《収益事業》②不動産販売業

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》②不動産販売業について見ていきます。

NPO法人が、継続して不動産の買入又は売却を行うときは、「不動産販売業」として「収益事業」に該当することになります。

【不動産販売業】

棚卸資産である土地、建物等の譲渡を行うときは、「不動産販売業」として「収益事業」に該当することになります。

NPO法人が、土地に集合住宅等を建築してそれを分譲したり、土地について区画形質の変更(区画整理や造成等)を行ってその土地を分譲する行為は、原則として「不動産販売業」に該当します。

ただし、その土地が相当期間(おおむね10年以上)にわたり固定資産として保有されていたものであり、かつ、その集合住宅の建築又は区画形質の変更から分譲に至る一連の行為が、もっぱらその土地の譲渡を容易にするために行われたものであると認められるときは、その譲渡利益のうち、その区画形質の変更によって付加された価値以外の部分(土地のキャピタル・ゲイン部分)については、「不動産販売業」の所得に該当しないとされています。(法人税基本通達15-1-12)

 

(法人税法施行令)

(収益事業の範囲)

第五条 法第二条第十三号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。

二 不動産販売業

 

(法人税基本通達)

(不動産販売業の範囲)

15-1-12 公益法人等が土地(借地権を含む。以下同じ。)を譲渡するに当たって当該土地に集合住宅等を建築し、又は当該土地につき区画形質の変更を行った上でこれを分譲する行為は、原則として令第5条第1項第2号《不動産販売業》の不動産販売業に該当するのであるが、当該土地が相当期間にわたり固定資産として保有されていたものであり、かつ、その建築又は変更から分譲に至る一連の行為が専ら当該土地の譲渡を容易にするために行われたものであると認められる場合には、当該土地の譲渡は、不動産販売業に該当しないものとする。ただし、その区画形質の変更により付加された価値に対応する部分の譲渡については、この限りでない。(昭56年直法2-16「七」により改正)

(注) 土地の分譲に代えて当該土地に借地権を設定した場合におけるその借地権の設定で令第138条第1項《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》の規定の適用があるものについても、本文の取扱いによる。

国税庁ホームページ 不動産販売業

34種類の事業一覧 「NPO法人の法人税について~収益事業の種類と具体的判定