【わかるNPOの法人税】《収益事業》③金銭貸付業

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO法人専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》③金銭貸付業について見ていきます。

NPO法人が、継続して金銭の貸付けを行うときは、「金銭貸付業」として「収益事業」に該当することになります。

【金銭貸付業】

金銭貸付業は、不特定又は多数の者に対するいわゆる金融業に限らないとされていますので、特定又は少数の者に対する金銭の貸付けであってもそれが継続的に行われているものである限りは「金銭貸付業」として「収益事業」に該当することになります。(法人税基本通達15-1-14)

NPO法人が、その会員等を対象として金銭の貸付けを行っている場合は、その貸付金の利率が「特例基準割合」(平成25年12月31日までは年4.3%)以下であるときは、「金銭貸付業」に該当しないとされています。(法人税基本通達15-1-15)

 

(法人税法施行令)

(収益事業の範囲)

第五条 法第二条第十三号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。

三 金銭貸付業

 

(法人税基本通達)

(金銭貸付業の範囲)

15-1-14 令第5条第1項第3号《金銭貸付業》の金銭貸付業は、その貸付先が不特定又は多数の者である金銭の貸付けに限られないことに留意する。(昭56年直法2-16「七」により追加)

(注) ここでいう「金銭の貸付け」には、手形の割引が含まれるが、公益法人等が余裕資金の運用等として行ういわゆる有価証券の現先取引に係る行為はこれに含まれないものとする。

(金銭貸付業に該当しない共済貸付け)

15-1-15 公益法人等が、その組合員、会員等の拠出に係る資金を主たる原資とし、当該組合員、会員等を対象として金銭の貸付けを行っている場合において、その貸付けに係る貸付金の利率が全て年7.3%(契約日の属する年の措置法第93条第1項《利子税の割合の特例》に規定する特例基準割合が年7.3%未満である場合には、当該特例基準割合。以下「基準割合」という。)以下であるときは、当該組合員、会員等に対する金銭の貸付けは、15-1-14にかかわらず、令第5条第1項第3号《金銭貸付業》の金銭貸付業に該当しないものとして取り扱う。当該貸付けに係る貸付金の利率が変動金利である場合には、当該貸付けに係る契約期間における金利がおおむね基準割合以下となるときに限り金銭貸付業に該当しないものとして取り扱う。(昭45年直審(法)58「7」、昭56年直法2-16「七」、平15年課法2-7「五十三」、平23年課法2-17「三十二」により改正)

国税庁ホームページ 金銭貸付業

34種類の事業一覧 「NPO法人の法人税について~収益事業の種類と具体的判定