【わかるNPOの法人税】《収益事業》⑮旅館業

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》⑮旅館業について見ていきます。

NPO法人が、人を宿泊させ、宿泊料を受ける事業を行うときは、「旅館業」として「収益事業」に該当することになります。

【旅館業】

NPO法人が、宿泊施設を設けて、人を宿泊させて宿泊料を受ける事業を行うときは、その宿泊料をいかなる名目で受けるときであっても、「旅館業」として「収益事業」に該当することになります。

旅館業には、下宿営業のほか、旅館業法による旅館業の許可を受けないで宿泊させ、宿泊料を受ける事業が含まれます。(法人税基本通達15-1-39)

ただし、その主たる目的とする事業の遂行に関連して利用され、その宿泊料の額がすべての利用者につき1泊1,000円(食事を提供するものについては、2食付きで1,500円)以下である共同宿泊施設の経営は、「旅館業」に該当しないものとされています。(法人税基本通達15-1-42)

 

(法人税法施行令)

(収益事業の範囲)

第五条 法第二条第十三号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。

十五 旅館業

 

(法人税基本通達)

(旅館業の範囲)

15-1-39 令第5条第1項第15号《旅館業》の旅館業には、下宿営業のほか、旅館業法による旅館業の許可を受けないで宿泊させ、宿泊料(その実質が宿泊料であると認められるものを含む。以下同じ。)を受ける事業が含まれる。したがって、例えば宗教法人が宿泊施設を有し、信者又は参詣人を宿泊させて宿泊料を受けるような行為も、15-1-42に該当するものを除き、旅館業に該当する。(昭56年直法2-16「七」により改正)

(公益法人等の経営に係る学生寮)

15-1-40 学生又は生徒の就学を援助することを目的とする公益法人等の経営する学生寮(地方税法施行令第51条の8各号《固定資産税が非課税とされる寄宿舎》に掲げる要件の全てに該当するものに限る。)は、令第5条第1項第15号《旅館業》の旅館業に該当しないものとする。(昭46年直審(法)21「9」、昭56年直法2-16「七」、平23年課法2-17「三十二」により改正)

(学校法人等の経営する寄宿舎)

15-1-41 学校法人等が専らその学校に在学する者を宿泊させるために行う寄宿舎の経営は、令第5条第1項第15号《旅館業》の旅館業に該当しないものとする。ただし、令第5条第1項第30号《技芸教授業》の技芸教授業を行う公益法人等が当該技芸教授業に付随して行う寄宿舎の経営については、この限りでない。(昭56年直法2-16「七」、平20年課法2-5「二十九」により改正)

(低廉な宿泊施設)

15-1-42 公益法人等が専ら会員の研修その他その主たる目的とする事業(収益事業に該当する事業を除く。以下同じ。)を遂行するために必要な施設として設置した宿泊施設で、次の要件の全てを満たすものの経営は、15-1-41のただし書に該当するものを除き、令第5条第1項第15号《旅館業》の旅館業に該当しないものとする。(昭56年直法2-16「七」により追加、平23年課法2-17「三十二」により改正)

(1) その宿泊施設の利用が専ら当該公益法人等の主たる目的とする事業の遂行に関連してなされるものであること。

(2) その宿泊施設が多人数で共用する構造及び設備を主とするものであること。

(3) 利用者から受ける宿泊料の額が全ての利用者につき1泊1,000円(食事を提供するものについては、2食付きで1,500円)以下であること。

国税庁ホームページ 旅館業

34種類の事業一覧 「NPO法人の法人税について~収益事業の種類と具体的判定

「【わかるNPOの法人税】《収益事業》⑮旅館業」への1件の返信