一般社団・財団法人の設立手続について

テーマ:NPO

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

NPO(非営利組織)の組織形態としては、「任意団体」、「NPO法人」、「認定NPO法人」、「一般社団・財団法人」、「公益社団・財団法人」などがあります。

 

任意団体(人格なき社団)」は、法人格がなく、権利能力がないため、権利・義務の主体となれませんが、法人税法上は、管理者・代表者の定めがあるものは、「法人」とみなされ、収益事業を行う場合は、その収益事業に対して法人税が課されます。管理者・代表者の定めがないものは、「法人」とみなされず、個々の構成員に対して所得税が課されることになります。

 

NPO法人」、「認定NPO法人」は、法人税法上は、収益事業を行う場合に、その収益事業に対してのみ法人税が課されます。

 

公益社団・財団法人」もNPO法人と同様に、法人税法上は、収益事業を行う場合に、その収益事業に対してのみ法人税が課されることになりますが、公益目的事業については、収益事業に該当しても法人税が課されません。

 

一般社団・財団法人」は、原則として、寄付金や会費や助成金、補助金も含めて、すべての所得に対して法人税が課されます。

ただし、一般社団・財団法人のうち、非営利型法人(※)については、収益事業に対してのみ法人税が課されることとされています。

(※)非営利型法人とは、「剰余金の分配を行わないこと」、「残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体に贈与すること」を定款に定めており、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下である法人(非営利性が徹底された法人)をいいます。

 

それでは、「一般社団・財団法人」の設立手続について、詳しく見ていきます。

 

【一般社団・財団法人の設立手続】

一般社団法人、一般財団法人を新たに設立する場合は、行政庁の許認可等は不要であり、準則主義による登記のみで設立できます。

NPO法人のような所轄庁による「認証」手続も必要ないため、簡易かつ短期間に設立することが可能です。

なお、一般社団・財団法人の設立登記の登録免許税は6万円です。

NPO法人の設立手続については、こちらもご参照ください。 「NPO法人の設立手続について~認証申請手続の流れと申請書類

 

【一般社団法人の設立】

一般社団法人を設立するには、その社員となろうとする者(最低2人以上)が、共同して定款を作成して、公証人の認証を受けなければなりません。

一般社団法人は、「社員総会」と「理事」が必置の機関で、定款の定めにより「理事会」や「監事」を設置することができますが、理事会を置く場合は、3人以上の理事を置かなければなりません。

一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をすることによって成立します。

 

【一般財団法人の設立】

一般財団法人を設立するには、設立者が定款を作成して、公証人の認証を受けなければなりません。また、設立者は300万円以上の財産を拠出しなければなりません。

一般財団法人は、「評議員会」、「理事会」と「監事」が必置の機関となっていて、最低でも3人以上の「評議員」、3人以上の「理事」を置かなければなりません。

一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をすることによって成立します。

 

【役員の報酬について】

一般社団法人、一般財団法人は、報酬を受ける役員の人数に制限はありません。

この点で、「報酬を受ける役員数が、役員総数の3分の1以下であること」が要求されるNPO法人とは大きく異なります。

NPO法人の要件については、こちらもご参照ください。 「NPO法人の設立手続について~NPO法人の定義と要件