【わかるNPOの法人税】《収益事業》㉖興行業

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》㉖興行業について見ていきます。

 

NPO法人が、イベントなどの興行を行う事業を行うときは、「興行業」として「収益事業」に該当することになります。

 

【興行業】

NPO法人が参加料を集めて開催するイベントは収益事業になるか。

NPO法人が興行を行うときは、「興行業」に該当します。

興行とは、映画、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、スポーツ、見せ物等を企画、演出又は陳列し、これを不特定又は多数の者に観覧させることです。

したがって、イベントの内容が「興行」に当たる場合は、「継続して」有料で行われるときは、「興行業」として「収益事業」に該当することになります。

「興行業」には、他の興行主のために興行を行う事業、興行の媒介又は取次ぎを行う事業が含まれますが、常設の美術館、博物館、資料館、宝物館等において主としてその所蔵品を観覧させる行為は、「興行業」に該当しないとされます。(法人税基本通達15-1-52)

これは、所蔵品を展示して観覧させるだけの行為は、企画、演出を伴わないという点において「興行」とは異質のものと考えられるためです。

一方、臨時開催の移動美術館、移動博物館等は、一種の「興行」として「興行業」に該当すると考えられます。

 

チャリティーイベントは収益事業になるか。

次の①、②のような興行については、所轄税務署長の確認を受けることを条件に、「興行業」に該当しないものとされます。(法人税基本通達15-1-53)

①出演者がすべて無料出演であり、かつ、その収益金について教育、社会福祉団体などへ寄付することが、あらかじめ明らかにされているチャリティーなどのいわゆる慈善興行

②アマチュアの出演による興行で、その興行のために直接要する会場費、人件費などの経費を賄う程度の低廉な入場料による興行

したがって、慈善興行として所轄税務署長の確認を受けたチャリティーイベントは、「興行業」に該当せず、「収益事業」になりません。なお、確認は、興行の都度、または、事業年度ごとに受ける必要があります。

 

(法人税法施行令)

(収益事業の範囲)

第五条 法第二条第十三号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。

二十六 興行業

(法人税基本通達)

(興行業の範囲)

15-1-52 令第5条第1項第26号《興行業》の興行業には、自らは興行主とはならないで、他の興行主等のために映画、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、スポーツ、見せ物等の興行を行う事業及び興行の媒介又は取次ぎを行う事業が含まれる。(昭56年直法2-16「七」により改正)

(注) 常設の美術館、博物館、資料館、宝物館等において主としてその所蔵品(保管の委託を受けたものを含む。)を観覧させる行為は、興行業に該当しない。

 

(慈善興行等)

15-1-53 次に掲げる興行(これに準ずるものを含む。)に該当することにつき所轄税務署長の確認を受けたものは、令第5条第1項第26号《興行業》の興行業に該当しないものとする。(昭56年直法2-16「七」により追加、平2年直法2-1「十一」により改正)

(1) 催物に係る純益の金額の全額が教育(社会教育を含む。)、社会福祉等のために支出されるもので、かつ、当該催物に参加し又は関係するものが何らの報酬も受けないいわゆる慈善興行
(2) 学生、生徒、児童その他催物に参加することを業としない者を参加者又は出演者等とする興行(その興行収入の相当部分を企業の広告宣伝のための支出に依存するものについては、これにより剰余金の生じないものに限るものとし、その他の興行については、その興行のために直接要する会場費、人件費その他の経費の額を賄う程度の低廉な入場料によるものに限る。)

国税庁ホームページ 興行業

 

34種類の事業一覧 「NPO法人の法人税について~収益事業の種類と具体的判定