【わかるNPOの法人税】《収益事業》「区分経理」

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》「区分経理」について見ていきます。

 

NPO法人は、収益事業とそれ以外の事業から生ずる所得に関する経理を区分して行わなければなりません。

 

「区分経理」

NPO法人は、「収益事業」から生じた所得に対してのみ法人税が課されますので、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行わなければなりません。

したがって、費用についても「区分経理」する必要があり、

(1) 収益事業について直接要した費用又は損失の額は、収益事業に係る費用又は損失の額として経理する

(2) 収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用又は損失の額は、継続的に
①資産の使用割合、②従業員の従事割合、③資産の帳簿価額の比、④収入金額の比、
⑤その他当該費用又は損失の性質に応ずる合理的な基準
により収益事業と収益事業以外の事業とに配賦し、これに基づいて経理する

ことになります。(法人税基本通達15-2-5)

共通費の配賦基準としては、例えば次のような基準が考えられます。

共通費

区分基準

人件費(報酬、給料、賃金、賞与、退職金 等) 従事割合(②)
福利厚生費、事務用消耗品費 従事割合(②)
建物関連費用(地代家賃、減価償却費、火災保険料、修繕費、固定資産税 等) 使用割合(①)
面積割合(⑤)
水道光熱費 面積割合(⑤)
機械、工具器具備品、車両運搬具の減価償却費 使用割合(①)
借入金の利子 帳簿価額比(③)
その他の費用 収入金額比(④)

 

(法人税法施行令)

(収益事業を行う法人の経理の区分)

第六条 公益法人等及び人格のない社団等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行わなければならない。

(法人税基本通達)

(費用又は損失の区分経理)

15-2-5 公益法人等又は人格のない社団等が収益事業と収益事業以外の事業とを行っている場合における費用又は損失の額の区分経理については、次による。(昭56年直法2-16「八」、平20年課法2-5「三十」により改正)

(1) 収益事業について直接要した費用の額又は収益事業について直接生じた損失の額は、収益事業に係る費用又は損失の額として経理する。

(2) 収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用又は損失の額は、継続的に、資産の使用割合、従業員の従事割合、資産の帳簿価額の比、収入金額の比その他当該費用又は損失の性質に応ずる合理的な基準により収益事業と収益事業以外の事業とに配賦し、これに基づいて経理する。

(注) 公益法人等又は人格のない社団等が収益事業以外の事業に属する金銭その他の資産を収益事業のために使用した場合においても、これにつき収益事業から収益事業以外の事業へ賃借料、支払利子等を支払うこととしてその額を収益事業に係る費用又は損失として経理することはできないことに留意する。

国税庁ホームページ 収益事業に係る所得の計算等「費用又は損失の区分経理」