【わかる公益法人会計基準】一般原則(1)真実性・明瞭性の原則

テーマ:公益法人会計基準

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

公益社団・財団法人や公益認定を申請する一般社団・財団法人などは、公益法人会計基準に準拠して財務諸表を作成することが求められます。

公益法人会計基準について、同じNPO(非営利組織)の会計基準であるNPO法人会計基準と比較しながら、その特徴を分かりやすく解説します。

今日は、公益法人会計基準一般原則」(1)真実性・明瞭性の原則について見ていきたいと思います。

 

財務諸表は、公益法人の真実な実態を明瞭に表示しなければなりません。

 

【公益法人会計基準】

公益法人会計基準は、昭和52年の制定後、平成16年会計基準で全面的な改正がなされ、平成20年会計基準は、公益法人制度改革関連三法の成立を受けて平成20年12月1日以降開始する事業年度から実施するものとされています。

 

【一般原則】
公益法人会計基準(同注解)
NPO法人会計基準
解説
2 一般原則
(1)財務諸表は、資産、負債及び正味財産の状態並びに正味財産増減の状況に関する真実な内容を明りょうに表示するものでなければならない。
一般原則<真実性・明瞭性>
3.NPO法人の財務諸表等(財務諸表及び財産目録)は、NPO法人の真実な実態を表示し、かつ明瞭に表示するものでなければならない。
「真実」な報告とは、嘘をつかないということです。
ただし、ここでいう真実は、絶対的なものではなく、相対的な真実を意味します。すなわち、会計は、判断や見積りの介入、1つの会計事実について複数の会計処理を認めており、真実の会計情報は複数存在することになります。

「明瞭」な表示は、次の2つを求めています。
①利害関係者に対して情報の適切な公開を行うこと(すべての秘密の公開ではありません)
概観性と詳細性のバランスのとれた財務諸表の表示
 
参考図書:公益法人・一般法人の会計実務/公益財団法人公益法人協会