【わかる公益法人会計基準】貸借対照表の区分[注4]基本財産及び特定資産の表示について

テーマ:公益法人会計基準

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

公益社団・財団法人や公益認定を申請する一般社団・財団法人などは、公益法人会計基準に準拠して財務諸表を作成することが求められます。

公益法人会計基準について、同じNPO(非営利組織)の会計基準であるNPO法人会計基準と比較しながら、その特徴を分かりやすく解説します。

今日は、公益法人会計基準「貸借対照表の区分」[注4]基本財産及び特定資産の表示について見ていきたいと思います。

 

公益法人が基本財産または特定資産を有する場合は、固定資産を基本財産、特定資産、その他固定資産に区分します。

 

【公益法人会計基準】

公益法人会計基準は、昭和52年の制定後、平成16年会計基準で全面的な改正がなされ、平成20年会計基準は、公益法人制度改革関連三法の成立を受けて平成20年12月1日以降開始する事業年度から実施するものとされています。

 

【貸借対照表の区分】

公益法人会計基準(同注解)

NPO法人会計基準(同注解)

解説

[注4]基本財産及び特定資産の表示について
1 当該公益法人が基本財産又は特定資産を有する場合には、固定資産を基本財産、特定資産及びその他固定資産に区分するものとする。

2 寄付によって受け入れた資産で、その額が指定正味財産に計上されるものについては、基本財産又は特定資産の区分に記載するものとする。

3 当該公益法人が特定の目的のために預金、有価証券等を有する場合には、当該資産の保有目的を示す独立の科目をもって、貸借対照表上、特定資産の区分に記載するものとする。

<特定資産>
13.特定の目的のために資産を有する場合には、流動資産の部又は固定資産の部において当該資産の保有目的を示す独立の科目で表示する。
公益法人が基本財産または特定資産を有する場合は、固定資産を「基本財産」、「特定資産」、「その他固定資産」に区分します。

基本財産とは、定款において基本財産と定められた資産をいいます。

特定資産とは、特定の目的のために使途、保有または運用方法などに制約がある資産をいいます。

その他固定資産は、基本財産、特定資産以外の固定資産をいいます。

寄付によって受け入れた資産で、その額が指定正味財産に計上されるものについては、基本財産又は特定資産の区分に記載するものとされています。
そのため、寄付によって受け入れた資産で指定正味財産に計上するものは、必ず基本財産特定資産のいずれかに充当されることになります。

基本財産及び特定資産への充当額については、貸借対照表の正味財産の部の「指定正味財産」及び「一般正味財産」のそれぞれについて、「基本財産への充当額」及び「特定資産への充当額」を内書きとして記載するものとされます。

 

参考:NPO法人会計基準 「わかるNPO法人会計基準の解説~NPO法人に特有の取引等27使途等が制約された寄付金等の取扱い[注2]13

参考図書:公益法人・一般法人の会計実務/公益財団法人公益法人協会