【わかる公益法人会計基準】資産の貸借対照表価額(3)有価証券

テーマ:公益法人会計基準

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

公益社団・財団法人や公益認定を申請する一般社団・財団法人などは、公益法人会計基準に準拠して財務諸表を作成することが求められます。

公益法人会計基準について、同じNPO(非営利組織)の会計基準であるNPO法人会計基準と比較しながら、その特徴を分かりやすく解説します。

今日は、公益法人会計基準「資産の貸借対照表価額」(3)有価証券について見ていきたいと思います。

 

有価証券は、取得価額をもって貸借対照表価額とします。
その他有価証券のうち市場価格のあるものは、時価をもって貸借対照表価額とします。

 

【公益法人会計基準】

公益法人会計基準は、昭和52年の制定後、平成16年会計基準で全面的な改正がなされ、平成20年会計基準は、公益法人制度改革関連三法の成立を受けて平成20年12月1日以降開始する事業年度から実施するものとされています。

 

【資産の貸借対照表価額】

公益法人会計基準(同注解)

NPO法人会計基準(同注解)

解説

3 資産の貸借対照表価額
(3)満期まで所有する意思をもって保有する社債その他の債券(以下「満期保有目的の債券」という。)並びに子会社株式及び関連会社株式については、取得価額をもって貸借対照表価額とする。
満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券のうち市場価格のあるものについては、時価をもって貸借対照表価額とする。[注9][注10][注11]

平成20年会計基準では、有価証券はその保有目的により次の3つに分類されます。
・満期保有目的の債券
・子会社株式及び関連会社株式
・その他有価証券(満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券)

満期保有目的の債券」とは、「満期まで所有する意思を持って保有する」社債その他の債券です。

子会社株式」とは、公益法人が営利企業の議決権の過半数を保有している場合の当該営利企業の株式をいい、「関連会社株式」とは、公益法人が営利企業の議決権の20%以上50%以下を保有している場合の当該営利企業の株式をいいます。 子会社株式及び関連会社株式については、取得価額をもって貸借対照表価額とします。

(注)議決権の過半数の株式等の保有については、公益認定の適合基準上制限されています。ただし、例えばその一部を無議決権株式にするか、議決権を含めて受託者に信託することで認定基準を満たすことが可能とされています。

その他有価証券」のうち市場価格のあるものについては、時価をもって貸借対照表価額とし、市場価格のないものについては、取得価額をもって貸借対照表価額とします。

 

参考図書:公益法人・一般法人の会計実務/公益財団法人公益法人協会