【わかる公益法人会計基準】資産の貸借対照表価額(5)固定資産

テーマ:公益法人会計基準

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

公益社団・財団法人や公益認定を申請する一般社団・財団法人などは、公益法人会計基準に準拠して財務諸表を作成することが求められます。

公益法人会計基準について、同じNPO(非営利組織)の会計基準であるNPO法人会計基準と比較しながら、その特徴を分かりやすく解説します。

今日は、公益法人会計基準「資産の貸借対照表価額」(5)固定資産について見ていきたいと思います。

 

固定資産は、取得時は取得価額で評価され、その後の減価償却によって、計画的・規則的に費用配分が行われます。

 

【公益法人会計基準】

公益法人会計基準は、昭和52年の制定後、平成16年会計基準で全面的な改正がなされ、平成20年会計基準は、公益法人制度改革関連三法の成立を受けて平成20年12月1日以降開始する事業年度から実施するものとされています。

 

【資産の貸借対照表価額】

公益法人会計基準(同注解)

NPO法人会計基準(同注解)

解説

3 資産の貸借対照表価額
(5)有形固定資産及び無形固定資産については、その取得価額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。
<固定資産の計上>
19.購入した固定資産は、原則として当該資産の取得価額を基礎として計上しなければならない。

[注2]貸借対照表の表示方法及び計上額
<固定資産>
12.有形固定資産及び無形固定資産は、取得価額から減価償却累計額を差し引いた価額をもって貸借対照表価額とする。
固定資産の取得価額は、購入の代価に、運送、据え付け等のための付随費用を加えた価額をいう。

固定資産は、棚卸資産と同様に取得時は取得価額で評価され、その後の減価償却によって、計画的・規則的に費用配分が行われます。

固定資産の価値(経済的効用)が減少していく理由には、物質的な要因と機能的な要因があります。
物質的な要因としては、時の経過による老朽化と、使用による自然的な減耗・損耗等があります。
機能的な要因としては、新開発・新発明によってすぐれた設備が登場したことによる価値の低下、いわゆる陳腐化が挙げられます。
減価償却は、このような減価要因を認識するために、固定資産の取得原価をその使用可能な期間(耐用年数)にわたって、一定の規則的な方法に従って配分する会計手続です。
この減価償却の方法には、主に「定率法」、「定額法」等があり、法人がその適用方法を選択します。
また、恣意的な耐用年数の決定を排除するという観点から、法人税法における耐用年数を使用するのが一般的です。

 

参考:NPO法人会計基準

わかるNPO法人会計基準の解説~収益及び費用の把握と計算(その2)19固定資産の計上

わかるNPO法人会計基準の解説~収益及び費用の把握と計算(その2)20減価償却費の計上

参考図書:公益法人・一般法人の会計実務/公益財団法人公益法人協会