【わかる公益法人会計基準】正味財産増減計算書の区分[注13]補助金等について

テーマ:公益法人会計基準

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

公益社団・財団法人や公益認定を申請する一般社団・財団法人などは、公益法人会計基準に準拠して財務諸表を作成することが求められます。

公益法人会計基準について、同じNPO(非営利組織)の会計基準であるNPO法人会計基準と比較しながら、その特徴を分かりやすく解説します。

今日は、公益法人会計基準「正味財産増減計算書の区分」[注13]補助金等について見ていきたいと思います。

 

国や地方公共団体などから補助金等の交付を受けた場合は、正味財産増減計算書上、指定正味財産増減の部に記載します。

 

【公益法人会計基準】

公益法人会計基準は、昭和52年の制定後、平成16年会計基準で全面的な改正がなされ、平成20年会計基準は、公益法人制度改革関連三法の成立を受けて平成20年12月1日以降開始する事業年度から実施するものとされています。

 

【正味財産増減計算書】

公益法人会計基準(同注解)

NPO法人会計基準(同注解)

解説

[注13]補助金等について
法人が国又は地方公共団体等から補助金等を受け入れた場合、原則として、その受入額を受取補助金等として指定正味財産増減の部に記載し、補助金等の目的たる支出が行われるのに応じて当該金額を指定正味財産から一般正味財産に振り替えるものとする。
なお、当該事業年度末までに目的たる支出を行うことが予定されている補助金等を受け入れた場合には、その受入額を受取補助金等として一般正味財産増減の部に記載することができる。
ただし、当該補助金等が国又は地方公共団体等の補助金等交付業務を実質的に代行する目的で当該法人に一時的に支払われたものである場合等、当該補助金等を第三者へ交付する義務を負担する場合には、当該補助金等は預り補助金等として処理し、事業年度末における残高を負債の部に記載するものとする。
<使途等が制約された寄付金等の取扱い>
27.寄付等によって受入れた資産で、寄付者等の意思により当該受入資産の使途等について制約が課されている場合には、当該事業年度の収益として計上するとともに、その使途ごとに受入金額、減少額及び事業年度末の残高を注記する。[注6]
公益法人は、事業の実施に際して国や地方公共団体、民間の法人などから補助金等の交付を受けることがあります。
補助金等は、通常、交付者より使途について制約が課されて受け入れるため、原則として、当期中の受入額を受取補助金等として正味財産増減計算書における指定正味財産増減の部に記載するものとされています。

なお、事業年度内に目的の支出を行うことが予定されている補助金等については、直接、一般正味財産増減の部に記載することができます。

また、補助金等交付業務の代行で受け入れた補助金等については、正味財産の増減ではなく「預り金」(負債)として処理することになります。

補助金等とは、「補助金」、「負担金」、「利子補給金」、「その他相当の反対給付を受けない給付金」などをいい、役務の対価としての委託費などは含まないものとされます。

 

参考図書:公益法人・一般法人の会計実務/公益財団法人公益法人協会