【わかる簿記初級】有価証券②売却

テーマ:簿記

 

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社会課題の解決に取り組む社会的企業(株式会社などの営利企業や、NPO法人や社団・財団法人などの非営利組織)のスタッフ、経理実務担当者が知っておきたい「簿記」の基礎を、日商簿記3級の試験問題を題材に分かりやすく解説します。

今日は、「有価証券」②売却について見ていきます。

 

【問題】

次の取引について仕訳しなさい。

当期首に1株あたり1,500で購入したY株式会社の株式200株(売買目的で所有)のうち、100株を1株あたり1,200で売却し、代金は当座預金口座に振り込まれた。

 

【解説】

●問題文を次のように分解します。

1株あたり1,500で購入したY株式会社の株式200株(売買目的で所有)のうち、100株を②1株あたり1,200で売却し、代金は当座預金口座に振り込まれた
1,500で購入した株式を1,200で売却した売却損益は1株あたり300のマイナス

●順番に仕訳をします。

①1株あたり1,500で購入したY株式会社の株式200株(売買目的で所有)のうち、100株を売却した ので、
貸方(右側)に150,000(=1,500×100株)を「売買目的有価証券の減少」として記入します。

借方科目
(かりかた)

金額

貸方科目
(かしかた)

金額

売買目的有価証券

150,000

②100株を1株あたり1,200で売却し、代金は当座預金口座に振り込まれた ので、
借方(左側)に当座預金120,000(=1,200×100株)を記入します。

借方科目

金額

貸方科目

金額

当座預金

120,000

③1株あたり1,500で購入した株式100株を1,200で売却した(売却損益は1株あたり300のマイナス) ので、
借方(左側)に差額30,000(=300×100株)を「有価証券売却損」として記入します。

借方科目

金額

貸方科目

金額

有価証券売却損

30,000

●最後に、すべての仕訳を合算します。

 

【解答】

借方科目

金額

貸方科目

金額

当座預金

有価証券売却損

120,000

30,000

売買目的有価証券

150,000

 

【ポイント】

簿記は、借方(左側)に資産、貸方(右側)に負債を記載します。(貸借対照表)

借方

貸方

資産

負債

そして、資産は、増加したら借方(左側)に、減少したら貸方(右側)に記入し、逆に、負債は、増加したら貸方(右側)に、減少したら借方(左側)に記入します。

本問では、「売買目的有価証券」と「当座預金」が資産に属する項目です。

 

また、借方(左側)に費用、貸方(右側)に収益を記載します。(損益計算書)

借方

貸方

費用

収益

そして、費用は、増加したら借方(左側)に、減少したら貸方(右側)に記入し、逆に、収益は、増加したら貸方(右側)に、減少したら借方(左側)に記入します。

本問では、「有価証券売却損」が費用に属する項目です。