【わかる簿記初級】立替金・預り金

テーマ:簿記

 

こんにちは。台東区上野・浅草で開業している公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

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社会課題の解決に取り組む社会的企業(株式会社などの営利企業や、NPO法人や社団・財団法人などの非営利組織)のスタッフ、経理実務担当者が知っておきたい「簿記」の基礎を、日商簿記3級の試験問題を題材に分かりやすく解説します。

今日は、「立替金・預り金」について見ていきます。

 

【問題】

次の取引について仕訳しなさい。

従業員に対する給料の支払いにあたって、給料総額390,000のうち、かねて立替払いしていた従業員負担の生命保険料12,000と、所得税の源泉徴収分25,000を差し引き、残額は現金で支給した。

 

【解説】

●問題文を次のように分解します。

従業員に対する給料の支払いにあたって、給料総額390,000のうち、②かねて立替払いしていた従業員負担の生命保険料12,000と、③所得税の源泉徴収分25,000を差し引き、④残額は現金で支給した

●順番に仕訳をします。

①給料総額390,000を支払った ので、借方(左側)に給料390,000を記入します。

借方科目
(かりかた)

金額

貸方科目
(かしかた)

金額

給料

390,000

②かねて立替払いしていた従業員負担の生命保険料12,000を差し引く ので、貸方(右側)に12,000を「立替金の減少」として記入します。

借方科目

金額

貸方科目

金額

 

従業員立替金

12,000

③所得税の源泉徴収分25,000を差し引く ので、貸方(右側)に預り金25,000を記入します。

借方科目

金額

貸方科目

金額

 

所得税預り金

25,000

④残額は現金で支給した ので、貸方(右側)に差額353,000を現金として記入します。

借方科目

金額

貸方科目

金額

 

現金

353,000

●最後に、すべての仕訳を合算します。

 

【解答】

借方科目

金額

貸方科目

金額

給料

390,000

従業員立替金

所得税預り金

現金

12,000

25,000

353,000

 

【ポイント】

簿記は、借方(左側)に資産、貸方(右側)に負債を記載します。(貸借対照表)

借方

貸方

資産

負債

そして、資産は、増加したら借方(左側)に、減少したら貸方(右側)に記入し、逆に、負債は、増加したら貸方(右側)に、減少したら借方(左側)に記入します。

本問では、「現金」と「立替金」が資産に属する項目、「預り金」が負債に属する項目です。

 

また、借方(左側)に費用、貸方(右側)に収益を記載します。(損益計算書)

借方

貸方

費用

収益

そして、費用は、増加したら借方(左側)に、減少したら貸方(右側)に記入し、逆に、収益は、増加したら貸方(右側)に、減少したら借方(左側)に記入します。

本問では、「給料」が費用に属する項目です。