【わかる簿記初級】決算整理④貸倒引当金

テーマ:簿記

 

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社会課題の解決に取り組む社会的企業(株式会社などの営利企業や、NPO法人や社団・財団法人などの非営利組織)のスタッフ、経理実務担当者が知っておきたい「簿記」の基礎を、日商簿記3級の試験問題を題材に分かりやすく解説します。

今日は、「決算整理」④貸倒引当金について見ていきます。

 

【問題】

次の[期末修正事項]にもとづいて、決算整理仕訳をしなさい。

[期末修正事項]
受取手形および売掛金の期末残高に対して、3%の貸倒引当金を設定する(差額補充法)。なお、受取手形と売掛金の期末残高はそれぞれ200,000と300,000、貸倒引当金の期末残高は10,000である。

 

【解説】

●問題文を次のように分解します。

受取手形および売掛金の期末残高(それぞれ200,000と300,000)に対して、②3%の貸倒引当金(期末残高は10,000)を設定する

●順番に仕訳をします。

①受取手形および売掛金の期末残高(それぞれ200,000と300,000)がある ので、期中において、
借方(左側)に売上債権500,000、貸方(右側)に売上500,000を計上(売上取引を仮定)していました。

借方科目
(かりかた)

金額

貸方科目
(かしかた)

金額

受取手形

売掛金

200,000

300,000

売上

500,000

②決算において、売上債権の期末残高に対して、3%の貸倒引当金を設定する ので、貸倒引当金15,000(=500,000×3%)を計上します。
貸倒引当金の期末残高10,000があるので、貸方(右側)に差額5,000を「貸倒引当金」 として記入し、借方(左側)は「貸倒引当金繰入」(費用)で処理します。

借方科目

金額

貸方科目

金額

貸倒引当金繰入

5,000

貸倒引当金

5,000

 

【解答】

借方科目

金額

貸方科目

金額

貸倒引当金繰入

5,000

貸倒引当金

5,000

 

【ポイント】

貸倒引当金は、決算日の売掛金や受取手形の残高のうち、次期以降に貸倒れが生じると予想される金額を見積って設定します。

決算において、貸倒引当金を設定するにあたり、前期末に設定した貸倒引当金が残っている場合は、当期の設定額と期末残高との差額だけ追加で貸倒引当金を計上します(差額補充法)。

翌期以降、(貸倒引当金が設定されている)受取手形や売掛金が貸し倒れたときは、「売上債権を減少」させるとともに、まずは設定している「貸倒引当金」を取り崩し、貸倒引当金を超える額については「貸倒損失」(費用)で処理します。

なお、当期に発生した(貸倒引当金が設定されていない)受取手形や売掛金が貸し倒れたときは、借方科目は「貸倒損失」(費用)で処理します。

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