【わかる簿記初級】決算整理⑧収益の繰延・見越

テーマ:簿記

 

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社会課題の解決に取り組む社会的企業(株式会社などの営利企業や、NPO法人や社団・財団法人などの非営利組織)のスタッフ、経理実務担当者が知っておきたい「簿記」の基礎を、日商簿記3級の試験問題を題材に分かりやすく解説します。

今日は、「決算整理」⑧収益の繰延・見越について見ていきます。

 

【問題】

次の[期末修正事項]にもとづいて、決算整理仕訳をしなさい。

[期末修正事項]
当店が保有する土地は当期よりA商店に貸しているが、12月分の地代20,000は翌月5日に受け取ることになっている。なお、会計期間は1月1日から12月31日までの1年である。

 

【解説】

●問題文を次のように分解します。

当店が保有する土地は当期よりA商店に貸しているが、12月分の地代20,000は翌月5日に受け取ることになっている

●順番に仕訳をします。

①保有する土地を貸しており、12月分の地代20,000を翌月5日に受け取る ので、決算において、当期分(12月の1カ月)を収益として見越計上するため、借方(左側)に20,000を「未収収益」として記入します。

借方科目
(かりかた)

金額

貸方科目
(かしかた)

金額

未収地代

20,000

受取地代

20,000

 

【解答】

借方科目

金額

貸方科目

金額

未収地代

20,000

受取地代

20,000

 

【ポイント】

収益の繰延と見越は、当期の利益または損失を正しく計算するために行われる決算整理です。

(収益の繰延)
当期に受け取った収益に翌期分が含まれている場合は、これを当期の収益から差し引くため、翌期にその分だけサービスを提供する義務を「前受収益」(負債)に計上します。

(収益の見越)
当期分の収益にもかかわらず、受取日が翌期のため、まだ受け取っていない収益がある場合は、これを当期の収益として計上するため、その分の金額を受ける権利を「未収収益」(資産)に計上します。(本問のケース)

(翌期首の処理)
当期に繰り延べた(見越計上した)収益は、翌期首に決算整理仕訳と逆の仕訳を行って、もとの収益の勘定に振り戻します(再振替仕訳)。