【わかるNPOの法人税】《収益事業》⑩請負業

テーマ:NPO法人の法人税

 

こんにちは。東京都台東区上野・浅草で開業しているNPO専門の公認会計士・税理士事務所「アイケイ会計事務所」です。

 

NPO法人は、「法人税法上の収益事業」を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

この「収益事業」は、法人税法に定められた34種類の事業で「継続して」「事業場を設けて」営まれるものをいいますが、それぞれの事業について、法人税法などの規則も参照しながら、分かりやすく解説したいと思います。

今日は、《収益事業》⑩請負業について見ていきます。

 

NPO法人が、他人から委託を受けて業務を行うときは、「請負業」として「収益事業」に該当することになります。

 

【請負業】

NPO法人が国や地方公共団体などの行政機関から業務の委託を受けて行う事業は収益事業になるか。

請負又は委託の性質を有する事業は、請負又は委託の相手先が誰であるかは問わないことになっているため、たとえ、国又は地方公共団体からの委託による事業であっても、「請負業」として「収益事業」に該当することになります。

 

事務処理の代行を実費程度の料金で受託した場合であっても、収益事業になるか。

事務処理の委託を受ける場合も「請負業」に該当するため、NPO法人が対価を得て何らかの事務処理を行えば、ほぼすべてのケースで、「請負業」として「収益事業」に該当することになります。

ただし、NPO法人が事務処理の受託業務を行う場合であっても、その業務の委託者から受け取る金額(報酬・料金など)が、当該業務の遂行に必要な費用の額を超えないことが、法令や規則、規約若しくは契約で規定されているいわゆる実費弁償方式により行われるときは、あらかじめ所轄税務署長(又は所轄国税局長)の確認を受けることにより、その確認を受けた期間(通常5年程度)については、「収益事業」としないものとされています。(法人税基本通達15-1-28)

 

研究開発事業、コンサルティング事業は収益事業になるか。

他人の委託に基づく研究開発事業は、「請負業」として「収益事業」に該当します。

また、コンサルティング事業は、他人の委託を受けて調査及び事務処理等を行うものなので、「請負業」として「収益事業」に該当します。

 

パソコン教室は収益事業になるか。(請負業と他の特掲事業との関係)

NPO法人がパソコン教室を直接運営して開催している場合は、パソコン教室は法人税法上で特掲されている技芸ではないので、法人税法施行令第5条第1項第30号《技芸教授業》には該当しません。

また、パソコン教室を請負契約に基づいて運営している場合も、その事業の性質から、いったん他の特掲事業(この場合、技芸教授業)に該当しないと判定した場合は、改めて法人税法施行令第5条第1項第10号《請負業》には該当しないものとされています。(法人税基本通達15-1-29)

したがって、パソコン教室は、「技芸教授業」にも「請負業」にも該当せず、「収益事業」になりません。

 

(法人税法施行令)

(収益事業の範囲)

第五条 法第二条第十三号(収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。

十 請負業(事務処理の委託を受ける業を含む。)のうち次に掲げるもの以外のもの

イ 法令の規定に基づき国又は地方公共団体の事務処理を委託された法人の行うその委託に係るもので、その委託の対価がその事務処理のために必要な費用を超えないことが法令の規定により明らかなことその他の財務省令で定める要件に該当するもの

ロ~ニ 省略

(法人税法施行規則)

(事務処理の委託を受ける業で収益事業に該当しないものの要件)

第四条の三 令第五条第一項第十号イ(請負業)に規定する財務省令で定める要件は、次に掲げる要件とする。

一 その委託の対価がその事務処理のために必要な費用をこえないことが法令の規定により明らかなこと。

二 その委託の対価がその事務処理のために必要な費用をこえるに至つた場合には、法令の規定により、そのこえる金額を委託者又はそれに代わるべき者として主務大臣の指定する者に支出することとされていること。

三 その委託が法令の規定に従つて行なわれていること。

(法人税基本通達)

(請負業の範囲)

15-1-27 令第5条第1項第10号《請負業》の請負業には、事務処理の委託を受ける業が含まれるから、他の者の委託に基づいて行う調査、研究、情報の収集及び提供、手形交換、為替業務、検査、検定等の事業(国等からの委託に基づいて行うこれらの事業を含み、同号イからニまでに掲げるものを除く。)は請負業に該当するが、農産物等の原産地証明書の交付等単に知っている事実を証明するだけの行為はこれに含まれない。(昭56年直法2-16「七」により追加、平16年課法2-14「十五」により改正)

 

(実費弁償による事務処理の
受託等)

15-1-28 公益法人等が、事務処理の受託の性質を有する業務を行う場合においても、当該業務が法令の規定、行政官庁の指導又は当該業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償(その委託により委託者から受ける金額が当該業務のために必要な費用の額を超えないことをいう。)により行われるものであり、かつ、そのことにつきあらかじめ一定の期間(おおむね5年以内の期間とする。)を限って所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長。)の確認を受けたときは、その確認を受けた期間については、当該業務は、その委託者の計算に係るものとして当該公益法人等の収益事業としないものとする。(昭56年直法2-16「七」、平21年課法2-5「十五」により改正)

(注) 非営利型法人が1-1-11の確認を受けている場合には、本文の確認を受けたものとみなす。

 

(請負業と他の特掲事業との関係)

15-1-29 公益法人等の行う事業が請負又は事務処理の受託としての性質を有するものである場合においても、その事業がその性格からみて令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のうち同項第10号以外の号に掲げるもの(以下「他の特掲事業」という。)に該当するかどうかにより収益事業の判定をなすべきものであるとき又は他の特掲事業と一体不可分のものとして課税すべきものであると認められるときは、その事業は、同項第10号《請負業》の請負業には該当しないものとする。(昭56年直法2-16「七」により追加)

国税庁ホームページ 請負業

 

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